常滑焼を巡る旅

先日、愛知県常滑市へ、常滑焼を巡る旅に行ってきました。
なかなか思い出に残る旅になりましたので、ご紹介します。

常滑

常滑市は、常滑焼の街です。
常滑焼は、平安時代から続く焼き物で、愛知県常滑市を中心に知多半島内で焼かれています。
日本六古窯(ろっこよう)の一つでもあります。

私が常滑焼を知ったのは、2015年に放送されたNHKの番組「イッピン」で紹介されたのがきっかけです。

その中で朱泥の急須が紹介されていて、一目惚れ。
いつかは直接見に行ってみたいと思っていて、1年越しでようやく実現しました。

やきもの散歩道

常滑市には、「やきもの散歩道」と呼ばれる観光コースがあり、常滑焼の窯業関連の施設を見て回ることができます。

「やきもの散歩道」は、名鉄常滑線常滑駅」から徒歩約10分ほど。
京都駅から在来線を使って3時間ほど。新幹線を使えば1時間半ほどで行けまので、日帰りも可能ですね。

常滑市陶磁器会館

常滑駅についたら、まずは常滑市陶磁器会館を目指しましょう。

常滑陶磁器会館は「やきもの散歩道」のスタート地点としてちょうどいい場所にあり、散策の起点にもってこいです。
散歩コースの地図もここでもらえます。

インターネットでもダウンロードできますので、事前にダウンロードしてあれこれ想像を膨らませるのも楽しいかもしれませんね。

とこなめ招き猫通り

駅から陶磁器会館に向かう途中に、さっそく観光スポットがあります。
「とこなめ招き猫通り」です。

 道沿いに、焼き物作家さんの作品がたくさん並んでいます。
それぞれ個性ある招き猫たちなので、1つ1つじっくり見てしまいます。私はここを通り抜けるのに20分くらいかかってしまいました。。。

どんな招き猫がいるのか、実際に見に行ってみてください。

散歩道 Aコース

散歩道には、AコースとBコースの2つのコースがあります。

今回はAコースを歩いてみました。

Aコース

1.6km ほどのコースとなっています。1~2時間ほどで歩けると思います。
途中の見学時間などを含めると、3時間ほどになるでしょうか。

Bコース

4.0km ほどのコースとなっていて、3~4時間くらいはかかると思います。
INAXライブミュージアムなども含まれているので、散歩&見学しがいがあります。

散策

あいにくの雨模様でしたが、スタートしたときは傘をささなくても何とかなるくらいでしたので、のんびり散策していきました。

平日かつ雨模様ということもあって、他の観光客の姿はまばらで、貸し切り感覚で楽しめました。

▲大きなカエルの瓶

▲窯の煙突。こういった風景があちこちに広がっています。

▲壁には土管や焼酎瓶、地面にも常滑焼が埋め込まれていて、まさに常滑焼ロードです。

散歩道沿いにある民家などの壁に、下の写真のようなレンコンのように穴の開いた焼き物が使われていました。

なんだろうと思っていたのですが、これは電纜管と呼ばれ、電線などのケーブルを地中に埋める際に使われるのだそうです。
これを民家の壁に使っているところは、焼き物の街らしくて素敵ですね。

電纜管は、散歩道の道しるべにも使われていました。

登窯広場

散歩道のちょうど中間地点あたりに、登窯広場があります。
公園として整備されていて、お手洗いもありますので、休憩に利用できます。

この広場には、常滑焼を使ったアート作品がいくつかあり、下の写真のように、見る角度によって色が変わる壁がありました。
単純な仕組みなのですが、どうなっているのか実物を見て確かめてみてください。

 登窯広場展示工房館

登窯広場には、両面焚倒焔式角窯(りょうめんだきとうえんしきかくがま)」を保存展示する工房館があります。

この窯は、中に入ることができますので、どういった作りになっているのかを実体験することができます。

今回は参加していませんが、工房館の2階では陶芸教室が開かれているそうです。

登窯(陶栄窯)

重要有形民俗文化財に指定されている登窯です。
非常に大きな登窯が、当時の姿をそのまま残しています。

ランチ

散歩道の途中にある「茶房 たんぽぽ」でランチを頂きました。
お店の様子などは、別途記事にしようと思います。

お土産

常滑訪問の最大の目的は、朱泥の急須を買うことです。
今回は2つも急須を購入してしまいました。

それぞれ紹介します。

朱泥の急須

散歩コースの後半にある「morrina」という器と暮らしの道具を扱っているお店に立ち寄りました。

お店に入ってすぐのところに、黒っぽい急須が置かれていました。
形と大きさが程よく、持ってみると非常に軽くて驚きました。

お店の人によると、伝統工芸士に認定されている「玉龍」という焼き物職人さんの作品ということでした。
「朱泥の急須を探しているのですが。」と伝えると、お店の奥に案内してくれて、いろいろと説明してくれました。
実際に急須にお水を入れて、水切れ具合なども確認させていただけました。

で、選んだのは丸い朱泥の急須です。
こちら。

伝統工芸士 玉龍さんの作品です。

茶漉し部分はセラメッシュになっていて、気に入っています。

玉龍さんの作品は、楽天市場でも販売しているようです。
常滑まで行けない方は、通販もありですね。

TOKONAME の急須

常滑焼の作品に「TOKONAME」というブランドがあります。
直球勝負の名前ですが、パステルカラーの急須や湯飲みを作っていて、おしゃれな作品がたくさんあります。
朱泥とはまた違った雰囲気で、こちらも素敵なんです。

TOKONAME も「イッピン」で取り上げられていて、ぜひ見てみたいと思っていました。
TOKONAME SHOP は、散歩道からは少し離れたところにありますが、陶磁器会館から歩いて10分もかからないので、散歩後に立ち寄りました。

TOKONAME SHOPの外観は、普通の倉庫です。

倉庫の中に建物が建っていて、そこに作品が並べられています。

店員さんに話を聞くと、在庫がなく入荷待ちの状態だそう。かなり人気があるようです。。。
せっかくここまで来て手ぶらで帰るのも寂しいので、

「どれも在庫がないんでしょうか。」

と食い下がってみると、

「一部だけ在庫があったと思うので、確認してきます。」

と見に行ってくれました。

で、黄色と青色のMサイズのポットなら在庫があるとのこと。
こちらのポットは紅茶用にと思っていたので、黄色を買って帰ることにしました。
こちらです。

こちらの茶漉しも陶器製です。

梱包していただきながら、玉龍さんの急須を買ったことなどを伝えて自己満足。
注ぎ口や蓋を割ってしまうことが多いので気を付けてくださいね、とアドバイスいただきました。

TOKONAME もオンラインショップがありますよ。

まとめ

1年越しに実現した常滑旅行。
あちこちに窯や煙突があり、街全体が常滑焼で成り立っているんだなと感じました。
京都から常滑への移動も思ったほど時間がかからず、もっと早く行けばよかったと思いました。

常滑焼は、思っていた通り素敵な焼き物でした。
お土産の急須は2つで10,000円と奮発してしまいましたが、どちらも気に入ったものが選べたのでいい買い物ができました。

焼き物が好きな方もそうでない方も、ぜひ常滑も訪れてみてください。
きっと楽しいですよ。