東洋の魔窟の跡地「九龍寨城公園」

かつて、東洋の魔窟と呼ばれた「九龍寨城」が取り壊された後にできた、九龍寨城公園に行ってきました。
今は魔窟の面影はなく、綺麗な公園に整備されているのは知っていましたが、自分の目で見てみたいと思っていて、4回目の香港旅行でようやく念願がかないました。

九龍寨城

九龍城と聞くと、無秩序なビルが密集するスラム街をイメージしてしまいますが、もともとは香港付近の海域の海賊などから安全を確保するために作られた砦(城塞)でした。

1950年頃になってこの城塞が取り壊されましたが、難民流入などの人口急増を受けてビルが次々と建てられ、無秩序に増築が繰り返されていき、魔窟をイメージさせるスラム街が出来上がっていきました。

スラム街となった九龍寨城の内部は迷路のように入り組んでいて、一度入ったら出てこられない、と言われていたとか。
どこまで本当かは分かりませんが、1970年頃は中国の行政権が及ばず、売春や薬物売買などの違法行為が蔓延するまさに無法地帯だったようです。

九龍寨城公園

そんな九龍寨城も、時代の流れには逆らうことができず、1993年から1994年にかけて取り壊し工事が行われ、現在の九龍寨城公園が整備されました。

立派なゲートが作られています。
こちらは、東側にあるゲートです。

東側ゲートから中に入って、公園内を散策。
公園の中央付近に、九龍寨城に関する資料を展示した施設があります。いろいろ展示されていて、城塞~魔窟までの九龍寨城の姿を垣間見ることができますよ。
また、ちょっとした売店もあり、飲み物などを購入できます。

この施設から南に行くと、魔窟のミニチュアがあります。
私は、これが見たくてここに来た、という感じでした。ビルの密集ぶりがよくわかります。外周部分と屋上以外は、ほとんど陽の光が届かなかったんでしょうね。。。

また、精緻な断面図も描かれています。
建物と人の縮尺が同じだとすると相当窮屈なスペースだったようで、カオス感が伝わってきます。

さらに南に行くと、城塞跡がわずかに残っています。

公園内を一通り散策して、南門から九龍城方面へ。

九龍城の街は、尖沙咀などと比べると古びた感じがあり、香港を色濃く感じられる気がします。
旧香港空港があったため、建物の高さは低くなっています。

街を散策してみて、タイ関連のお店(レストランや食材屋さん)が多くありました。
1つの通りがほとんどタイ、というところもあり、タイの方が多く集まっているんでしょうね。

平日ということもあってか、九龍寨城公園から九龍城を散策している間に、日本人は女子旅らしき二人組しか見かけませんでした。観光地としては、あまり人気はないのかもしれません。

交通

今回の訪問は、黄大仙 (Wong Tai Sin) 駅から歩いて向かいました。
歩いて15分ほどかかりますので、タクシーなどを使ったほうがいいかもしれませんね。
ちなみに、最寄り駅は樂富 (Lok Fu) 駅ですが、こちらも歩くと10分くらいかかります。

尖沙咀からバスも出ていると思いますが、香港初心者の私にとってバスはハードルが高かったので利用しませんでした。
きっとバスを利用したほうが、移動は楽だと思います。